みまもりコラム
負担を軽減!小規模多機能型居宅介護の賢い使い方と料金相場を解説

はじめに
小規模多機能型居宅介護は自宅での生活を続けながら、必要なケアを受けられる魅力的な選択肢のひとつです。訪問、通い、宿泊の3つを柔軟に組み合わせられるこのサービスは、介護を必要とする方やそのご家族にとって、心強い存在となっています。ただし、料金体系や利用方法にはさまざまな要素が絡むため、事前の理解が欠かせません。この記事では、小規模多機能型居宅介護の料金相場や内訳、介護保険を利用した負担軽減の仕組み、さらには費用を抑える工夫について詳しくご紹介します。初めてこのサービスを検討される方にも役立つ内容ですので、ぜひこの記事を参考にして、ご自身やご家族に最適な介護サービスを見つけてください。
Table of Contents
小規模多機能型居宅介護の料金相場とは?
小規模多機能型居宅介護は、自宅での生活を大切にしたいと考える方にとって、訪問・通い・宿泊を柔軟に組み合わせられる便利なサービスです。ただし、その料金は利用する内容や地域によって異なるため、詳細を理解しておくことが重要です。この章では、小規模多機能型居宅介護の料金相場について詳しくご紹介します。
基本的な料金構造
小規模多機能型居宅介護の料金は、介護保険を利用することで自己負担が軽減される仕組みになっています。利用者が負担する金額は、要介護度、住んでいる地域、サービスの内容によって異なります。例えば、通いが中心の利用と、宿泊を頻繁に行う利用では、負担額が大きく異なることがあります。
具体的な料金の目安
要介護度が低い要支援1や2の場合、利用者負担額は月額3,000円から6,000円台となることが一般的です。一方、要介護度が高くなると、負担額は1万円を超えることがあります。たとえば、要介護1では1万円前後、要介護5では2万円以上の月額料金が目安となります。
サービスの柔軟性と料金
このサービスの特徴は、訪問・通い・宿泊の3つを自由に組み合わせられる点です。たとえば、平日は通いを利用し、週末だけ宿泊サービスを追加することで、家庭での生活を維持しながら必要なケアを受けることができます。こうした柔軟な利用が可能な反面、組み合わせ次第で料金が変動するため、事前の計画が大切です。
地域ごとの料金の違い
料金の相場は、お住まいの地域によっても差があります。都市部では施設の運営コストが高いため、利用料金が高くなる場合があります。一方で、地方では運営コストが比較的低いため、料金も低めに設定されることが多いです。介護保険の地域区分(1級地~7級地)も、利用料金に影響します。
小規模多機能型居宅介護は、柔軟なサービス設計が魅力的であり、利用者それぞれの生活スタイルに合わせて選べます。しかし、その料金にはさまざまな要因が関わってくるため、事前にしっかりと情報を確認することが大切です。次の章では、月額料金の内訳とその詳細についてさらに深掘りしていきます。
月額料金の内訳と費用の詳細
小規模多機能型居宅介護を利用する際に気になるのが料金の内訳です。このサービスの料金は、基本料金と追加料金に分かれており、利用者の介護度やサービスの内容によって異なります。ここでは、料金の仕組みをわかりやすく解説し、利用時の目安を提示します。
基本料金の仕組み
小規模多機能型居宅介護の基本料金は、月額定額制となっています。この料金には「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスが含まれており、要介護度ごとに設定されています。以下は、介護保険の自己負担割合が1割の場合の基本料金の目安です。
- 要支援1: 約3,400円
- 要支援2: 約6,900円
- 要介護1: 約10,400円
- 要介護2: 約15,300円
- 要介護3: 約22,300円
- 要介護4: 約24,600円
- 要介護5: 約27,100円
基本料金には定額制のため、サービスの利用回数や内容にかかわらず一定の金額がかかります。これにより、予算の計画が立てやすい点が特徴です。
参考:介護サービス公表システム「小規模多機能型居宅介護」
その他の追加料金
基本料金以外にかかる費用として、以下のような項目があります。
- 食費
1食あたり500円前後が一般的です。利用回数に応じて月額の総額が変動します。 - 宿泊費
1泊2,000円~3,000円程度が目安となります。宿泊回数によって負担額が増減します。 - おむつ代
必要に応じて実費負担となります。 - 加算費用
以下のような手厚いサービスにかかる費用が含まれます。- 初期加算: 利用開始から30日間、1日あたり30円程度
- 認知症加算: 月額500~800円程度
- 看護職員配置加算: 月額480~900円程度
- 訪問体制強化加算: 月額1,000円程度
加算費用は施設や利用内容によって異なりますので、事前の確認が必要です。
地域による料金の違い
小規模多機能型居宅介護の料金は、地域区分(1級地~7級地)によって異なります。都市部では施設運営コストが高いため、地方よりも若干高めに設定されることがあります。地域の単位単価を確認することで、具体的な料金がわかります。
月額料金の内訳を知ることで、小規模多機能型居宅介護の利用計画が立てやすくなります。次章では、介護保険を活用した費用負担の軽減について詳しくご紹介します。
介護保険適用による費用負担の軽減
介護保険を利用することで、小規模多機能型居宅介護の料金負担は大幅に軽減されます。この制度は、利用者が必要なケアを受けながら、家計への負担を最小限に抑えることを目的としています。ここでは、介護保険を利用した費用負担軽減の仕組みと、具体的な制度について詳しく解説します。
介護保険の自己負担割合
介護保険では、基本的な自己負担割合は1割ですが、所得に応じて2割や3割になる場合があります。以下にその基準を説明します。
- 1割負担
65歳以上の多くの方が対象で、収入が一定以下の場合に適用されます。 - 2割負担
年間の合計所得が280万円から340万円未満の方が対象です。 - 3割負担
年間の合計所得が340万円以上の方が対象となります。
利用者の負担割合は、市区町村が発行する「介護保険負担割合証」で確認できます。
利用者負担軽減制度
所得が低い方や住民税非課税世帯の方は、利用者負担額をさらに軽減できる制度を利用できます。
- 住民税非課税世帯への軽減
世帯全員が住民税非課税で、所得や年金収入が一定以下の場合に適用されます。
- 所得80万円以下: 利用料金の50%を軽減
- その他の非課税世帯: 利用料金の25%を軽減 - 高額介護サービス費制度
月々の自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されます。上限額は所得に応じて異なり、負担を抑えるために有効な制度です。 - 特定入所者介護サービス費(補足給付)
施設サービスを利用する際の食費や居住費を軽減する制度で、住民税非課税世帯の方が対象となります。
軽減対象となる費用
小規模多機能型居宅介護では、以下の費用が軽減の対象になる場合があります。
- 宿泊費
泊まりサービスを利用する際の料金が補助されることがあります。 - 食費
朝食や夕食の料金が対象となる場合があり、負担が軽減されます。
ただし、これらの軽減措置には利用日数や費用の上限が設定されていることが多く、例えば宿泊費の軽減は月15日分までとされています。
介護保険制度の活用により、小規模多機能型居宅介護の料金負担を大幅に軽減することが可能です。特に所得が低い方や住民税非課税世帯の方は、さまざまな軽減措置を利用できるため、事前に制度内容をしっかり確認することが重要です。次章では、追加料金が発生するサービスとその内容について解説します。
費用を抑えるための工夫と補助制度の活用
小規模多機能型居宅介護の利用を考える際、費用の問題は大きなポイントです。しかし、いくつかの工夫や制度を活用することで、利用者やその家族の負担を軽減することができます。この章では、費用を抑える具体的な方法と、利用可能な補助制度について詳しく解説します。これらを理解し、賢く利用することで、より負担を軽くしながら適切な介護サービスを受けることが可能になります。
費用を抑えるための工夫
施設提供品を活用する
施設では、利用者の日常生活に必要な物品、例えばオムツや歯ブラシといった消耗品を提供している場合があります。これらを活用することで、利用者が自ら購入する必要がなくなり、費用を削減することが可能です。特に、日々使うものは積み重なると意外な負担になるため、施設の提供内容を事前に確認し、最大限利用することをおすすめします。
介護保険支給限度基準額を意識する
小規模多機能型居宅介護は、定額制の料金体系を採用しているため、利用頻度が高くても介護保険の支給限度基準額を超える心配がほとんどありません。他の介護サービスを組み合わせて利用する場合は、利用回数が増えると限度額を超えるリスクがありますが、小規模多機能型ではそのような追加負担を防げます。この特性をうまく利用することで、サービスを多く利用する方にとっては特にお得になります。
補助制度の活用
高額介護サービス費制度
高額介護サービス費制度は、介護サービスの月々の自己負担額が一定の上限を超えた場合、その超過分を払い戻してくれる制度です。住民税の課税状況や所得額に応じて、上限額が設定されています。例えば、住民税非課税世帯の場合、月の負担額は15,000円(個人)または24,600円(世帯)が上限となります。この制度を利用するには、各自治体の窓口での申請が必要です。申請手続きはケアマネージャーがサポートしてくれる場合もあります。
社会福祉法人等による利用者負担軽減制度
この制度は、低所得世帯や生活保護を受給している方を対象に、利用者の負担を軽減するためのものです。具体的には、自己負担額を通常の1/4または1/2に軽減する措置が取られます。この制度では、食費や居住費、宿泊費といった負担も軽減対象となるため、施設利用にかかる総費用を大きく抑えることが可能です。ただし、この制度を利用するためには、対象となる施設であるかどうかを事前に確認することが重要です。
特定入所者介護サービス費(補足給付)
補足給付は、施設利用における食費や居住費を軽減する制度です。住民税が非課税で、一定の所得基準を満たしている方が対象となります。特に長期的な施設利用を考えている方にとっては、この制度が家計の負担軽減に大きく貢献します。
住民税非課税世帯への特別軽減
住民税非課税世帯の中でも、年間所得が80万円以下の方は利用料金が最大で50%軽減されます。また、それ以外の非課税世帯でも25%の軽減が受けられるため、対象の方は積極的に活用する価値があります。この制度の利用条件や手続き方法については、事前に市区町村の介護窓口に相談することをおすすめします。
注意点と事前確認
補助制度を利用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 自治体ごとに条件が異なる: 補助制度や対象となる施設は自治体によって異なるため、必ず地域の介護保険窓口で確認してください。
- 申請手続きの徹底: 多くの制度は申請が必要です。必要書類や期限を守り、申請漏れを防ぐことが重要です。
これらを事前にしっかり確認しておくことで、スムーズに補助を受けることができます。
小規模多機能型居宅介護を利用する際には、施設提供品の活用や介護保険制度の特性を最大限に活かすことがポイントです。また、高額介護サービス費制度や社会福祉法人の負担軽減制度など、各種補助制度を併用することで、さらに負担を軽減できます。これらの工夫を取り入れ、利用者や家族の負担を最小限に抑えながら、安心してサービスを利用してください。
まとめ
小規模多機能型居宅介護は、在宅生活を続けながら必要なケアを受けられる柔軟なサービスです。その料金は要介護度や地域、利用内容によって変動しますが、介護保険や補助制度を活用することで負担を大幅に軽減することが可能です。
特に、住民税非課税世帯や低所得者を対象とした軽減制度は、利用者やご家族の負担を軽くする大きな助けとなります。また、施設提供品の活用や計画的な利用によっても費用を抑えられる工夫ができます。
サービスを賢く利用するためには、事前に料金の内訳や補助制度についてしっかり確認し、ケアマネージャーや自治体の窓口に相談することが重要です。適切な情報をもとに、小規模多機能型居宅介護を効果的に活用し、安心してサービスを受けられるよう準備を進めてください。

株式会社サンケア
代表 山下裕子
私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。
社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。
「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。